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STEAM教育における造形教室のあり方について考える

今更ですが、自粛中のGWということで

平成30年6月に文部科学省が発表した「Society 5.0に向けた人材育成」(※1)を読み返し、

最近では耳タコになってきたSTEAM教育について自分なりに咀嚼してみました。


そもそも政府はこれからの日本の課題を

・ AIに関する研究開発に人材が不足

・少子高齢化

・つながりの希薄化

・自然体験の機会の減少


と考え、

課題が解決できる子供達を育てていきたい!と考えています。


「Society 5.0」の中に記載されている、日本の抱える課題が解決できる人材とは

・技術革新や価値創造の源となる飛躍知を発見・創造する人材

・技術革新と社会課題をつなげ、プラットフォームを創造する人材

・様々な分野においてAIやデータの力を最大限活用し展開できる人材 等


・・・・。


「発見・創造・展開・・・・・。」


今までのような詰め込み型教育では課題は解決できませんやん。。。となったのですね。。


そこで、

アメリカで生まれたSTEAM教育を取り入れた教育方針に大きく舵取りをしたのです。


S=Science(科学) T=Technology(技術) E=Engineering(工学) A=Arts(芸術) M=Mathematics(数学)


最近ではプログラミング教室なども増えてきて、

教育の内容が変わってきていることを感じます。



ここにきて

A=Arts(芸術)の役割を考えてみます。


”From STEM To STEAM”(※2)は

「芸術は科学者,数学者,技術者が成功するために欠かせないものであり, 彼らは芸術から借用したスキルを用いている」と記し,芸術をすることに必要な能力(スキル)には次のような 観点があるとしています。


=芸術に求められるスキル=

1.好奇心の誘導

2.正確な観察

3.異なる対象物の知覚

4.意味の構築と観察内容の正確な表現

5.他者との効果的な協働

6.空間的な思考

7.運動感覚的な知覚

=============



Aki造形教室では、

1.4.5.7を主に造形レッスンで、

2.3.6を主にデッサンで、

子供達に伝えて行っています。


正解が決まっている世界で生きてきた子供達は、

「自分がやりたいことをやってごらん」

という課題が一番困るようです。


・自分がどんなことに興味がるのかを知らない

・「もしも●●だったら・・・」と空想するのが苦手

・「他と比べると下手」だと思っている


これは、訓練でどんな子供も創造の世界に

羽ばたいていくことができます。


造形レッスンではとにかく個人の世界を肯定すること。

「他と比べる」という概念を捨てること。


そんな時間を過ごしています。


デッサン教室では技術的なことを教えるため、

ある程度「正解」があります。

うまく描くという目標があるので達成意欲の強い子は

うまくなっていくことで精神的に満たされます。

「絵心がない」と思っている生徒やご両親がいますが、

算数や英語と一緒で

公式を覚えれば誰でもデッサンができるようになります。



STEAM教育におけるArts(芸術)は

要素の中でも重要な「発見・創造・展開」などの能力を

開発するための教育となります。


私が美術にどっぷり浸かっていた青春時代は

「絵で食っていけるやつなんて一握り」

というおきまりのセリフがありましたが(笑)


これからの時代、文部科学省の教育方針にも取り入れられて、

芸術を学ぶのが「当たり前」

になっていくのですね。




参考文献


(※1)https://www.mext.go.jp/a_menu/society/index.htm

(※2)D. A. Sousa, T. Pilecki, From STEM To STEAM, Corwin, 2013.;同日本語翻訳版:胸組虎胤訳,『AI 時代を生きる子供のための STEAM 教育』,幻冬舎,2017. ; D. A. Sousa, T. Pilecki, From STEM To STEAM 2nd Ed., Corwin, 2018.















 
 
 

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